「いいものを作れば売れる」時代は終わった。売れない4つの原因

こばやし

「いいものを作れば売れる」時代は終わりました。

えみ

え、そうなの!?

確かに、品質を高めることでライバル商品やサービスよりも優位性を示すことができるので、一定の効果を得られます。

しかし、一見理にかなっているように思える考え方ですが、今はいいものを作るだけでは売れなくなってきています。

私は美容師として技術を極める一方、ヘアケア用品の開発やwebコンテンツ制作に力を注ぎ、マーケティング戦略を駆使して自社や他者の収益を拡大してきました。

技術職人としての視点を活かしたマーケティングが強みです。

この記事を読めば、良いスキルを持ち、良い商品を作っているのに、売上が思うように伸びない理由が明らかになります。

それでは、いいものを作るだけでは売れない原因と、売れる「いいものを作る」ための6つの要素を解説します。

売れない在庫を増やさないためにも、ぜひ知ってほしいです

目次

なぜ「いいものを作れば売れる」では売れないのか?

私自身も手に職を付ける仕事を選んだので、「いいものを作れば売れる」と、師匠からそのように教えて頂き、高い技術を取得するために努力した時代がありました。

確かに、いいものを作ることで、ライバルの商品やサービスと差別化し、優位性をもてます。私自身も、技術の研鑽をしたことで、今につなげられたと感じております

しかし、それだけでは売れない時代になりました。

なぜ「いいものを作れば売れる」と言われたのか、そしてなぜ、いいものを作っても売れなくなってしまっているのか、その理由を解説します

街には良い商品があふれている

まず、いいものを作っても売れなくなってしまっていることは、既に市場には、一定の品質が保たれた商品が多く流通しているからです。

つまり市場は供給過多の状態にあります

どの製品も基本的な品質基準を満たしているため、ただの良いものでは他の商品との差別化が難しくなり、その差分も縮まったことが要因です。

街には、一般的にいいものが溢れていて、そこに特にいいものを供給してもニーズは限られてしまいます。

確かに、より高品質なものを望むニーズもあります。品質を高めることは、競合する商品やサービスよりも優位性を高めることができるでしょう

しかし、現代の日本では、品質を高めることは差別化できる1つの方法でしかありません。

消費者の好みやニーズの多様化し、いいものも多様化した

消費者の好みやニーズが多様化した結果、商品も多様化し、さまざまなバリエーションが生まれています。

このため、単に品質の善し悪しだけでは十分でなくなり、消費者が求める具体的な価値や特徴を持った商品が選ばれるようになっています。

たとえばニーズの多様化では、高機能で多くのことができるAndroid系スマートフォンと、機能は限られるものの安定した動作と素早い反応が好まれるiPhoneが挙げられます。

どちらも良い商品ではあるものの、どこを良くするかでニーズが分かれます。

残念ながら、日本勢のスマートフォンは、価格競争を避けるためにさまざまな付加価値を付けようとしましたが、その結果、動作が鈍くなり、市場の支持を得られずに大きく出遅れてしまいました。

この時代に求められたスマホは、高機能で何でもできるが複雑な操作が必要になるものよりも、操作性が簡単でスムーズに動作するスマホだったのでしょう

これは、消費者が求めるニーズに十分に応えられなかったことによる失敗の例です。

またユーザーの多様化も起きています。日本やアメリカの市場では、iPhoneが人気になっていますが、世界の多くの国ではAndroidが人気になっています。

ただ、漠然と品質の良いものだけを作り続けても、売れる時代は終わりました。

技術職畑の私には、ヤキモキしてしまう言葉ですが、ビジネス的には「品質が良いものが売れるものではなく、売れたものがいいもの」なのです。

ニーズを見極めた、いいものを作ることが大切になってきます。

高品質がコスト増につながるリスク

素晴らしいサービスを提供したり、画期的な製品を開発したりすることは良いことでありますが、その分、コストが増え、価格が上がってしまう傾向があります。

売る側の視点では、技術を身に付けるにも繰り返し開発をするのもコストがかかる事なので、それが価格に反映されることはやむ得ません。

その商品を買おうとしてくれる客さまが、価格が上がっても高い品質を望んでいる場合は、購入して頂けるでしょう。

しかし、高い品質よりも、価格が上がることを望んでいない場合には、買われることはありません。

価格が上がり、お客様にとっては負担となれば、選ばれにくくなる可能性があります。高品質であっても、価格とのバランスが取れていなければ、売れることはありません。

最近、プレイステーションの本体価格が8万円に値上げされましたが、ゲーム機に8万円を出すユーザーは限られてしまうのではないかと考えました。

このように、価格が高すぎると、どれほど優れた製品であっても購入されにくくなる可能性が高まります。

お客様が求めるのは必ずしも最高品質ではなく、適正な価格で満足できる品質です。

誰の目にも止まらず、埋もれてしまう商品

非常にもったいないと感じることは、良い商品を作ったのに、誰にも知られずに埋もれてしまう商品やサービスです

街には数多くの商品が溢れています。

そのため、どれほど良い商品であっても、きちんとアピールできていなければ、存在にすら気づかれないこともあります。

「いいものを作れば売れた」のは、特定の環境が整っていたことも関係しています

たとえば、以下のような環境です

  • 「いいもの」が供給が足りていなかった
  • 売るスキルを持っていなくても、売れる環境が整っていた
  • 自身が気が付いていないだけで、売るスキルを身につけていた
  • 売るスキルのあったひとが、周囲にいた

良いものを作りたいと思う気持ちと、良いものを作る技術は、日本の宝であり、今後も日本の強い武器になります。

しかし、これからはそれだけでは不十分です。

黙っていても「いいものを作れば売れた」時代はもうありません。

商品の品質が高いだけでは、現代の競争の激しい市場で埋もれてしまうのです。

売るスキルがあれば、市場でチカラを持つことができます。

次の章では、売るための方法を解説します

売れる「いいものを作る」ために必要な6つの要素

ここでは、売れるいいものを作る方法を解説していきます。

私は長年、技術の研鑽を愚直に行ってきた技術者として、マーケティング理論で商品を語ることに、葛藤を覚えます。

しかし、現代の市場を考えると、技術だけでなく、売るための知識を付けなければなりません。

なぜなら、現在では価値ある製品を生み出せるスキルを持っている人よりも、現場の技術に直接関わらずに仕組みを構築する人の方が、多くの利益を得ている現状があります。

作り手が本来受け取れるはずの利益を、受け取れない現実を変えなければなりません。

技術者が正当な利益を得るためには、ただ『いいもの』を作るだけでなく、その『いいもの』をどう売るかを考えることが必要です。

次に紹介する要素を実践することで、あなたの商品が市場で成功する可能性が高まります。

需要の分析の重要性

売れる商品を作るためには、まず市場の需要を正確に把握することが必要です。

想定されるお客さまが本当に求めているものを理解し、ニーズに応える製品やサービスを提供することが、成功の鍵となります。

市場調査を通じてターゲット層の嗜好やトレンドを分析し、抱える課題や求める価値を特定しましょう

作り手や売り手がどれほど優れた商品を作っても、買い手が求めるものでなければ、その商品の価値はゼロに等しくなります。

市場調査ツールやアンケートを活用して、ターゲット層の嗜好やトレンドを分析し、抱える課題や求める価値を特定しましょう。

市場のニーズに合った商品を開発し、ニーズに応える良いものを作ることが大切になります。

また、新たなニーズを掘り起こすことや、既存の商圏の外や海外などの新たな市場に広げていくことも視野に入れましょう。

競合分析の重要性

競合他社の動向をしっかりと把握することは、ビジネス戦略の成功に不可欠です

競合分析を行うことで、自社の商品が市場でどのように位置づけられるのかを理解し、他社との差別化ポイントを明確にすることができます。

競合が提供している価値や、顧客がその商品を選ぶ理由を知ることで、自社の商品をより魅力的に見せるための戦略を立てることが可能になります。

たとえば、美容業界は1000円カットが台頭してきた頃、「このままではどんどん相場が下がってしまうのではないか?」と不安になったことがありました。

しかし現在では、一般的な美容室も、1000円カットもどちらも存在し、それぞれの価格帯で経営が成り立っています。

これは、それぞれの経営のコンセプトと、ターゲット層を分けた結果と言えます

このように、競合を分析し戦略を立てることで、無駄な競争を避け、それぞれのターゲット層に合った最適なサービスを提供することができます。

独自の価値提案(USP)の必要性

競合との差別化を図るためには、独自の価値提案(USP:Unique Selling Proposition)が欠かせません。

USPとは、他にはない独自の価値を提供するポイントです。

お客さまに「この商品を選ぶ理由」を明確に示すことで、競争の激しい市場でも際立つことができます。

USPを構築するためには、自社の強みを見つけ出し、それをお客さまに魅力的な形で伝えることが重要です。

以前は「いいものを作れば売れる」と言われたのは、品質を高めることで、1つのUSPを得られたからです。

今日では、市場に多くの良い商品で溢れているので、それだけでは差別化として十分でなくなりました。

USPのない商品を売ることは、困難です。

USPを作ることで、売れる良いものを作ることができます。

適正な価格設定

価格設定は、売れる商品を作る上で最も重要な要素の一つです。

たとえ高品質な良い商品であっても、価格が顧客の期待や市場相場から外れてしまうと、売れにくくなります。

価格設定を行う際には、製造コストだけでなく競合の商品価格ターゲット市場の購買力も考慮する必要があります。

また、価格に見合った価値を提供することで、顧客にとって納得感のある選択肢を提供することが求められます。たとえば、付加価値を強調することで、顧客が価格を正当と感じるようにすることが重要です。

最適な価格設定を行うことで、顧客にとって魅力的な商品として位置づけることができ、長期的な成功に繋がります。

販路の選択

どこで商品を販売するかは、商品の成功に大きな影響を与えます。

適切な販路を選択することで、ターゲット顧客に確実にリーチし、商品を効果的に届けることが可能になります。

作るだけで、売る方法を考えないのは、大きな機会損失です。商品を適切に販売しないことで、作り手が本来得られるべき利益を逃してしまうことになります。

現状の日本では、作り手よりも売り手の方が大きな利益を得ていることが多いので、生産する人たちが自分の販路を獲得することが、利益を拡大する大きな方法です

たとえば、実店舗で販売している商品が、オンラインショップでの販売に適している場合、大きな販路拡大が期待できます。

オンラインショップで直接販売しなくても、商品の魅力を伝えるブログや、特定の商品に特化したランディングページ(LP)を作ることで、商圏の外からでも購入を促進できるかもしれません。

ほかにも、道の駅などに商品を置いてもらうことや、卸売業者やパートナーシップを活用することで、販売網を広げることも考えられます。

適切な販路を選択することは、商品の成功に欠かせない要素です。自社の商品に最も適した販路を見つけ、ターゲット顧客にしっかりと届けることで、長期的な成功を収めることができるでしょう。

効果的なマーケティング戦略の構築

最後に、商品を成功に導くためには、効果的なマーケティング戦略が必要です。

どれほど良い商品であっても、想定されるお客さまに知られなければ売れることはありません。

マーケティング戦略には、まずこれまでに説明してきたように自社商品や、ターゲット市場を明確にすることが含まれます。そして、その上で広告やプロモーションを展開します。

以前の広告方法は、新聞・テレビ・ラジオ・雑誌・折込チラシなどが主流で、これらの方法は、大きな費用がかかりました。

現在では、インターネットを活用することで、費用を抑えつつ、効果的な宣伝をすることができるようになりました。

SNSは無料で始められますし、ブログやLPは年間1万円程度の費用で、24時間集客してくれます。

他にもさまざまな、プロモーションのためのツールが格安で使えるので活用すると良いでしょう

こばやし

私自身の経験として、折り込みチラシを何度か入れた事があります。

1回の予算として約50万円くらいかかりました。トータルで、30人くらいのお客さまが来店してくれたので、想定してた以上のお客さまに来店していただくことはできました。

しかし、同時期に手作りのホームページも作っていました。私自身も、スマホが普及する前で、都市部でもない地域なので、折込チラシのほうが効果があると想定していましたが、ホームページを見てきてくれたお客さまのほうが圧倒的に多かったので、驚きました。

えみ

プロモーションを行う上で、インターネットやスマートフォン活用していくことは、必須になってきていますよね

これらを上手に活用することは、コツが必要になりますが、覚えてしまえば費用をかけずに24時間自動で集客してくれる便利ツールになります。

効果的なマーケティング戦略を構築し、デジタルツールを上手に活用することで、商品の知名度を高め、顧客の購買意欲を引き出すことができます。

これが、商品の成功を左右する鍵となるのです。

まとめ

現代のビジネスにおいて、ただ「いいもの」を作るだけでは成功は保証されません。

市場のニーズや競合を分析し、独自の価値提案を持ち、適切な価格と販路を選び、効果的なマーケティング戦略を行うことが重要です。

これらの要素をしっかりと押さえることで、初めて「いいもの」が本当に売れる商品となるのです。

このように、ただ品質を上げるだけでなく、全体の戦略を見直すことで、あなたの商品を成功へと導くことができるでしょう。

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